この事例の依頼主
60代 男性
相談前の状況
部長の地位にあって取締役会に出席することもあった相談者は、管理監督者とされて残業代の支払いを受けていませんでした。また、給与体系の変更等に伴って給与の一方的な減額もされていました。
解決への流れ
訴訟を提起し、給与の減額は無効であるとして差額を請求するとともに、減額前の賃金を前提とした残業代を計算して請求しました。管理監督者該当性や、残業の必要性、賃金減額の根拠等、争点は多岐にわたりましたが、尋問前の和解協議の結果、未払賃金(残業代及び賃金差額)として請求した額の6割強の支払いを受けることで和解することができました。
世間では役付の労働者については安易に管理監督者とみなして残業代を支払わない扱いをする会社が少なくありませんが、裁判所が認める管理監督者のハードルは相当に高いものです。また、賃金の減額も、給与体系の変更によるものであるとか、説明会を開催した、とかいった理由で当然に認められるものではありません。管理監督者という理由で残業代が支払われていない場合、あるいは給料の一方的減額を受けた場合、会社の言い分が正当なのかどうか、一度、弁護士に相談なさってみてください。