犯罪・刑事事件の解決事例
#自己破産

紳士小物、バッグ卸業者の破産(個人で営む会社と本人双方の同時破産を申し立てたケース)

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秦 真太郎 弁護士が解決
所属事務所雨宮眞也法律事務所
所在地東京都 中央区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

債権総額:3000万円ほど債権者数:25社ほど※個人で会社債務の保証もしていたため、個人債務も全く同一内容業態:紳士小物・バッグ卸売業私は、紳士小物・バッグなどの卸売業を営む会社を営んでいたのですが、会社とは言っても、手伝いのバイトが一人いるくらいで、実質的には私が個人で切り盛りしている会社でした。会社の事務所というものはなく、事務所兼自宅として仕事をしている形態でした。バッグの製造は全て外注していましたので、事務所を手広く確保する必要もありませんでした。1年ほど前に体調を崩してしまい、徐々に仕事を減らしていたのですが、最後の仕事が片付いたのが約半年前になります。半年前にバイトの子にも辞めてもらっています。会社を設立した頃には、専門店から私のデザインを高評価して貰ったりしていまして、手ごたえを感じていたのですが、製造を中国や韓国の会社に頼ったのが大きな間違いでした。もちろん中国の会社等でも良い会社はあるのでしょうが、私は製造コストを下げることしか頭になく、良く調べずに中国や韓国の会社に製造を委託したものですから、出来上がるものがことごとく不良品で、卸した商品の補修等で多額の負債を抱えてしまうことになりました。その後は、日本の会社に製造をお願いし、その後は品質は大きく改善したのですが、利幅が少ないため、これまでの借金を返していくことすらぎりぎりの状況でした。私の方も働き詰めて新しいデザインなどをいろいろ考えるなどしていたのですが、これまでの苦労が祟ったのか体調を崩してしまい、半年前には仕事を完全にやめています。本当は仕入れ先さんにはあまり迷惑をかけないようにしたかったのですが、そうも言ってられませんので、破産手続きを取ってください。

解決への流れ

実質的には個人事業なので、会社の形にしておかないほうが店じまいは簡単だっただろうと後悔してはいるのですが、会社を設立した時は会社の名前の方が信用されると思っていましたので仕方がないと思います。破産申請したときには、①直近の決算書を作っていませんでしたので、そのことを突っ込まれてしまいましたのと、②何か仕掛け品や完成品が残っていたのではないかということで追及を受けましたが、①そもそも、決算書を作るのにも税理士さんにお願いしなければならず、そんなお金の余裕はありませんでしたし、②仕掛け品等は事務所を撤退する際に処分していて残っていませんでした。これらのことは秦弁護士から破産管財人に丁寧に説明してもらい、破産管財人の理解を得ることが出来ました。決算書については、「今からでも作ってくれ」と言われたら困ると思っていたのですが、そのように指示されることもなく助かったと感じています。個人で抱える借金としては3000万円ほどの借金額は大きかったようですが、私の業界の厳しい経営環境などを説明し、破産管財人にも理解してもらうことが出来ました。その後は、特に破産管財人からも大きな追及などもなく順調に免責を得ることが出来ました。

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秦 真太郎 弁護士からのコメント

会社と代表者を破産する場合、一緒に破産を申請したほうが裁判所に支払う手数料が節約できますので、一緒に破産するケースが大半です。今回のケースは、会社と言いましても、ご依頼者様個人の個人事業と実質的に同一でしたから、収集する資料も重複することが多く、一緒に処理することで効率よく申請書などを作成することが出来ました。会社の破産手続きを申請する場合、個人の破産のように同時廃止手続きを取ることはできませんので、今回も少額管財手続きを踏むことになりました。破産管財人からいくつか注文が付きましたが、事前に想定していた内容ばかりでしたので、特に大きな問題もなく乗り切ることが出来ました。ご依頼者様も借金の取り立てに参ってしまい体調を崩していたのですが、私が間に入ることで安心なさったのか、この間新しい仕事を見つけることもできたようなので良かったと思います。是非その仕事を長く続けて生活の再建を図っていただければと思います。